似顔絵32500★ギブミースマイル!漁村での幸せと哀しみを受けとめて。

インドでギブミースマイルプロジェクトを開始したいちにちめの後半。

 

ぼくは漁村で似顔絵を描いた。

 

プロジェクトの前半に、インドのこどもたちの笑顔を受け 自分の絵が 自分を全く知らない場所でも受けいれてもらえる…!という すでに満足感を得て自信を持っていたマコだが…

 

まさかこの時、この漁村からの帰り道に

絶望にも似た悲しみに 襲われるとは夢にも思わなかった。

ーーーーーーー

ここはケララにある漁村。

もともと貧しい村だったらしいのだが…最近、竜巻に襲われ またさらに生活苦のある村なのだという。

え?国からの援助は…?

国は認めたくないらしく…

え?どうゆうことですか?

などの会話を交えながら、アスファルトのない道を歩いた。

こういう会話をするたびに なんとかできるわけでも 調べて自分の人生を使ってなにかをするわけでもないくせに、正しいものぶる自分が恥ずかしく思える。

 

インドに来るのに、ただ来るだけじゃなく、みんなとチカラを合わせられるクラウドファンディングで、みんなのチカラになれることをしたい!!

と、はじめたギブミースマイルプロジェクト。

インドのみんなは似顔絵もらってラッキー!

日本のみんなはインドのみんなの笑顔みてチカラ溢れてラッキー!!

なーんて…勢いでスタートして、ここ、インドに来ているわけだが

大変な状況のみんなに絵を渡して、笑顔をもらって帰っちゃおうなんて…なんて勝手なプロジェクトなんではないかと、この漁村に来て、ちょっと申し訳ない気持ちになった。

 

しかし、大層な問題をなんとかできる力のないぼくは、じぶんにできること、今は絵を描くしかないんだと、喜んでもらうんだ!と、気を取り直して足を進めた。

 

インドの道には野良犬が多く、噂では狂犬病が…など言われているが 南インドの犬たちはおとなしくこちらが興奮させなければ 襲ってこないとのこと。

それでも さすが、インドの犬だ。

なんかヨガっぽい動きをしていた。

SISPで似顔絵させてもらったこどもたちの案内で、家がぎっしりと並ぶ道をどんどんはいっていく。

玄関の前に座っている小さな子をみつけて、

英語なのか?マラヤーラム語なのかぼくに嬉しそうに話しかけて来る、案内してくれてる少年たち。

「見て!小さくてかわいいだろ!あの子を描いてよ!」

…たぶんそう言っていたと思う。

案内されるまま…家の中に入り、似顔絵を描くことに。

あれれ?どこかの広場でみんなを集めるかと思ってたんだけど…

これじゃあヨネスケの突撃となりの晩御飯的な…

 

部屋というよりは玄関上がってすぐの廊下で、言われるままに 描きはじめた。

 

奥から出てきたお父さんとお母さんが ぼくに警戒心をもっているのが伝わってくる。。

 

案内してくれてる少年たちが「大丈夫大丈夫」と言ってくれていると思う。たぶん言ってくれているはず…

それでも心配そうなお父さんとお母さん。

しかし、ぼくの心は落ち着いてた。

 

まかせてよ。

ぜったいに嫌がるようなことはしない。

君はかわいいから、ぜったいに可愛い絵が描きあがるよ。

 

そう心の中で話しながら、描いた★

渡した途端、お父さんもお母さんも笑顔になる。

小さな少年も照れ臭そうに笑ってくれた…★

 

お父さん、お母さんが

もらっていいの?

もしかしてお金がいるの?

といったような顔をしていたように思う。

まったく心配しないでいてもらえるようにぼくは、「プレゼント!フォーユー!」と大げさに言いながら道具をしまい靴を履いた。

 

「チョコレートをもってこようか…」とお母さんが最後まで話しかけてくれてたんだけど 、ほんとに笑顔をもらえたらじゅうぶんで、それ以上の見返りがほしくてやってるわけじゃないんだってことを誤解されたくなくて 「大丈夫ですよ!ありがとうございます!」と笑顔で立ち去った。

 

しかし、 別れ際の 申し訳なさそうなお母さんの顔が 頭に残り…

あそこはもらっておくべきところだったのだろうか…?

いいことをしたつもりになって傲慢になってないか?マコ。

もっと相手と波長を合わせるんだ。

うわつくな。落ち着いて。もっと相手が自分だと思えるほどに…

心から笑ってもらえるように…

 

と、頭で繰り返しながら 漁村の奥へ 入っていった。

 

道の途中では屈強そうなバイクに乗ったインド人の兄ちゃんたちが 「なんだこいつら?」と 言わんばかりの顔でこっちを見てくる。

 

ハハ…

いま襲われたら全部奪われるな…

ってくらい村の奥まで来ていた。

 

まだ 怖がってる自分が情けない…と自分のダサさにため息つきながら 歩いてると、案内してくれている少年たちが 足を止めた。

 

ここで描こう。

 

 

えー。。。

 

…うーん。

…また家の中だ。

 

「できれば みんなが集まれるようなところがいいんだけど…」となんとか伝えようとしてみるが、「大丈夫!大丈夫!」と言わんばかりに「ココで!」って目をしている。

 

おそくなったが紹介しよう。

案内してくれているのは彼らふたり。

ちょっと兄貴的な落ち着きのあるアランと

学校のムードメーカー的なお調子者のジョシャーンだ。

特にジョシャーンは、学校でもぼくの絵を気に入ったのか、ずっとぼくにちょっかい出してきていた。

表情も豊かで明るい彼に大丈夫!って言われると 「しょうがないな〜」って流れになってしまうのも無理ないのかもしれない。

 

彼に続いて  おじゃましまーす!と明るく家の中に入ると…

 

 

大きなインド人が部屋の真ん中で 床の上に寝ている…ッ!

 

無理だ。

 

無理だよジョシャーン。。。

 

この人はたぶん、この家のひとだろう。

しかも、風格的にお父さんだ。

しかもしかも、ココは キミの家じゃないんだろう。。。

 

ぜったいまずいって。。。

 

 

ダイジョブ!ダイジョブ!

かまわずゴザを敷き出すジョシャーン。

 

ゴザを敷かれても起きない 大きなインド人のおじさん。

 

いやいやいやいや、待ってくれ。

 

出来れば机を…いやその前にこのおじさんが寝ている横で描くのかい?

 

そもそも迷惑だろう?

 

 

さ、描いて!

と言わんばかりの輝く笑顔。

無理だ!

 

無理だってジョシャーン。。。!!

 

なんならちょっと敷いてくれたゴザがおじさんの背中に ぶぁさっと かかっている。

 

 

起きたら何してんだオマエラ、どころの騒ぎじゃない…

 

と…、オロオロしていたら

 

ノソッと大きなインド人のおじさんが起きて部屋を出て行った…。

 

なんかすみません。。

 

どいてくれたのに描かないわけにはいかんな、とさっそくこの家の子供ちゃんらしい子を描いてみる。

するとすぐ村の子供達が集まってきた。

なるほど。りょーかい。

わかったよ、ジョシャーン。

描くさ。どこでだって。

喜んでもらえるなら描き続ける。

それがラクガキヤのマコさ。

どーだい!これがラクガ…キヤ…の…

ぞろぞろぞろぞろぞろ

待って!チョトマッテ!

ジョシャーン!!

アウトサイド!!アウトサイド…ッ!!!!

 

と、外で描く!!と断固たる意志を込めて訴えると すぐさま人混みをかき分けて 外に机と椅子を用意してくれた。

 

 

どーだい?ブラザー。

と言わんばかりな満面笑みのジョシャーン。

いや、最初からこうしてくれ。ブラザー。

 

でも、ありがとう!

確かにいきなりみんなの絵を描かせてくれ!みたいな奴は、なかなか村にやって来ないだろう。

慣れないことをさせてすまない。

頼りになる男だよ、ジョシャーン。

 

さあ、もう村のみんなからの警戒心はない。

いつものマコの無敵タイムがはじまった!

机と椅子。それを取り囲む子供達。

これが、ぼくが小学校の時から変わらない 無敵の時間。

みんなと友達になれる、ぼくの唯一の手段。

似顔絵を描いてあげる、なんて偉そうな気持ちなんかないんだよ。

ねえ、みてみて、これキミ。ぼくからみたキミはこんな感じだよ?ジャジャーーン!って…

ただそれだけなんだ。

キミたちが、かわいそうで描きにきたんじゃあない、って心の中で何度も何度もつぶやいた。

ぼくは、キミと一緒なんだよ?

幸せな空気にに包まれていく。。。

コレコレ。

ぼくがきみできみがぼく状態。

大げさに盛り上がりはしないが、順番を待つ子、どんなして描いてるか見に来る子は絶えずまわりを取り囲んでく…★

合間に大人を描くと盛り上がる。実際じぶんたちが描いてもらうのは照れるけど、大好きなお兄ちゃんが描かれてると あーでもない、こーでもないと会話が弾んでるのがわかる…★

まちがいなく、絵なんかよりも 必要なものがあるはずの…絵なんかよりもほしいものがあるはずの子供達が…ぼくの絵を受け取っていく。。。

たまらない。

たまらなくって泣き出しそうになった。

ほんとに幸せだって…心から思って 目頭が熱くなった。

 

ぼくの絵は…届く。

裕福な日本だから…じゃない。

余裕があるから求められてるわけじゃない!

ぼくの絵は、いまここで!

喜んでもらえてる…ッ!!!

子供達に、シーってして、後ろにずっと見えてた洗い物をしてるお母さんを内緒で描きはじめた。

 

この時が、この日のピークだろう。

 

子供たちは爆発的に盛り上がり、ぼくを取り囲んだ。

ものすごい笑顔と笑い声で包まれて、お母さんを描いてることはすぐに本人にバレて 照れ臭そうに顔をふせられちゃう♪

もう描き終わってるもんねー!と渡して写真を撮って♪

その様子を撮影していたカズさんが、カメラを止めて「ちょっと村の全体を撮ってくるね。」と今長さんと一緒に出かけていった。

最高の気分のマコは「はい!!」と笑顔で見送った。

動画に必要な 撮りたい絵は撮れたんだ、と確信したほど、すごい幸せに包まれた時間だった。

ふたりも満足げの顔をしていた。

たぶん、この時が、この旅の 目的である 笑顔が爆発した瞬間だったと思う。

この後もいくつか旅のブログを書く予定だが、初日のこの漁村での、この時が最高潮に笑顔が満ち溢れた瞬間だったと ハッキリと言い切れる。

 

しかし、

この後、ぼくは絶望の淵に突き落とされることになる。

 

カズさん、今長さんという ちょっと強そうな大人たちがいなくなったからからなのだろうか…

つくづく、ぼくはこのキャラゆえ、なめられやすいのだろうか。。。。

 

幸せの渦の中、洗い物してるお母さんの写真を撮っていたら、その絵を奪って歩き去る 他のおかあさん…

 

え?

いやいや

ふざけてるだけかなと、

 

ちょっとまって!それはこの人の絵だよ!ってジェスチャーすると、

 

ツカツカツカとぼくに歩み寄ってきて、

 

ぼくの腕時計を指差して、「交換だ」とジェスチャーする。

 

ふ、ふざけてるだけだよ…ね?

困ったふうに、「ノー…」というと

 

じゃあ、ピアス、じゃあメガネ、と…

 

気まずそうに「やめてよ!」と絵を奪い返すジョシャーン…。

 

いつも、明るく明るすぎるほどの、ジョシャーンの申し訳なさそうな顔が 今でも頭にこびりついてる。

 

ふざけてるわけじゃあないんだと悟り、幸せの絶頂から 心がどん底に突き落とされた。

 

あたりは静まり、シーンとしている。

 

洗い物をしていたお母さんも絵を隠して、気まずそうにしている。

 

どうしたらいいんだ…。

 

完全にシーンとした状態でも…描いてほしいとぼそぼそ声で近づいてくる子供達。

 

そうか、絵を描こう、、、

それしかぼくには出来ないから…

 

と、

 

気を取り直して椅子に案内した途端…

ちかくでお店をしているおばあさんに 椅子を取り上げられた。

 

え?

 

お金を払え、とジェスチャーされる。

 

どういうこと?

絵を続けたいならお金を払えってこと?

 

今までのは全部お前の自己満足で、わたしたちは絵を渡させてやってるんだよ、と言われてるような気持ちにさせられた。

 

ちがう。

確かにお金が必要な村かもしれない。

でも、ここでぼくがお金を払ってしまったら、それこそ自己満足になってしまう。

 

お金をあげるから、ぼくの絵をもらって喜んでる感じの写真を撮らせておくれよ。

 

…これは断じておかしい。。

 

震える声で、、、

ぼくは悲しいです、と

ちゃんと相手に伝わるように

「ノー…」と言った。

 

すると肩を落として、自分のお店からアメが沢山入ったカゴを持ってきて、これを買って、子供達に配れと言うジェスチャーをされた。

 

。。。。

 

よほど買おうかと思ったけど…

 

やはり、ちがう。

 

ぼくは、

ぼくは、ほどこしをしにきたんじゃないんだ。

そういう笑顔をもらいに来たんじゃない。

 

アメをあげるのも、似顔絵をあげるのも

あなたには同じように見えているかもしれない。

 

ちがうんです。

さっき、みんなと繋がれたと感じた…あの感覚は そういうことじゃない。

 

そうじゃないんだよ。

うまく言えないんだけど、

大それたことじゃないんだけど、

 

ぼくが、キミだったら

キミがぼくだったらって

心が繋がってる感覚があったんだ。

どれだけ環境が違っても、友達になれるような…

 

なんで、それを、こんな形で、、、

子供達の前で、、、、

 

裕福に暮らせてる日本人だからちょっとぐらいいいじゃんって?

余裕があるからこんなことしに来れるんだろ?って、、、、

 

どんどん心が絶望に落ちてく。

 

椅子が無くても、横で腕をツンツンとして描いて…て言ってくれた子。

もううまく、笑えなかったけど 無心で描いた。

ジョシャーンは、描き上がった絵を率先してビニールに入れる作業をしてくれていた。

最初からずっと、してくれていた。

頼んでもないのにそうしてくれていたのは できる限りたくさんのひとに絵を渡せるように ぼくの時間を増やそうと 自分なりに出来ることを見つけてくれてたんだと思う。

 

もう描いてほしいと、子供達も言えないようなシーンとした状態だったけど 赤ちゃんを抱いたお母さんが満面の笑みで 「気にするな!わたしは欲しいよ!」って感じでジェスチャーで赤ちゃんを指差して描いて描いてしてくれた。

描いてる途中、何も知らないカズさんと今長さんが帰ってきた。

同時に椅子も返ってきた。笑

 

「どうだい?やってる〜?」って感じがちょっとムカついたけど、すごいホッとして…安心からか、半泣きで「もう描けません、帰りましょう」とぼくは言った。

 

もう自分の笑顔を作るパワーが尽きていたのだ。

 

すぐに道具を片付けてジョシャーンとアランの案内で漁村をあとにした。

ーーー

案内してくれた 少年ふたりとの別れ際

無理やり作った半分泣いてるような顔の笑顔で 固く握手して「ありがとう、ほんとうに、ありがとう」と心を込めた。

 

 

トゥクトゥクに乗って帰る途中、

カズさんと今長さんに「どうしたの?」と聞かれ、状況を説明しながら号泣した。

 

カズさんは「確かに、描いてほしそうだったのにお母さんから家の手伝いもしないでこんなとこにいて!みたいに連れて帰られてる子もいたよ」と聞いた。

描いて欲しいのに、描いて欲しいと言えない状況を作ってる大人、 社会、 世界が悔しくて…

 

悔しくて

悔しくて…

 

とりあえず泣いた。

 

ジョシャーンの気まずそうな顔がずっと頭から離れなくて、

 

走るトゥクトゥクの中、流れるインドの景色が涙でぼやけるほど なるべく声に出さないように…

 

泣いた。

日が落ちてくるころ、宿をとっている町に戻って来た。

 

 

今長さんがインドに住んでいた頃、休みのたびに来てました。という喫茶店に、連れて来てもらった。

「アイスコーヒー、ちょっとだけど驚いてもらえると、おもいます」

かわいい驚きがあった。

アイスでフタされてるかわいいウインナーコーヒー★

 

今長さんから「つらかったかもしれないけど、マコさんにとって大切な経験にしてもらえたら嬉しいです」と言われた。

 

今長さんが今回の旅でコーディネートしてくれたSISPと漁村。

 

大変な状況で暮らしてる子供達でも、凄い素敵な笑顔なんですよ!なんなら恵まれてるはずの自分たちよりも!と、インドのことを嬉しそうに説明してくれたプロジェクト初期。

 

ぼくらは

貧しいから、かわいそうだから、ほどこしで似顔絵を描きにきたんじゃない。

逆に、笑顔を受け取りに、預かりにきたんだ。日本のみんなに伝えるために。

それが、今回のギブミースマイルプロジェクト。

それが、

インドには、インドの子供達には、輝く笑顔があるんです、という 口下手な今長さんの今回のプロジェクトのメッセージ。

 

初日。実際にインドで似顔絵を描いてみて。

本当の意味で しっかりと受け取れたと思う。

今までに感じたことのないくらい幸せな空間に身をおけた。

 

けど同時に それだけじゃ終われない現実というのも突きつけられた。

 

脅されたわけじゃない。

なにかを奪われたわけじゃない。

きっと、ほんとに怖い目に遭ってしまう国や町は この世界に いくらでも、あるんだろう。

 

それを関係ないかのように、見ないフリしてるようにもみえる自分の日々の暮らしが また情けなく思えた。

 

けど

どうしようもない無力感の中、立ち上がるにはいつだって じぶんにできることをやるしかない。

明日もぼくは、絵を描くよ。

この時、インドで似顔絵52名。

アイスコーヒーと夕暮れの中、1日目がおわった。

 

 

次回は2日目!描ききれてない子を描くためにもういちどSISPへ!

似顔絵制作実績 32500人目!


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